過去ログ - 御坂「あんたなんて」食蜂「大嫌いよぉ」
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[saga]
2013/01/12(土) 00:59:51.20 ID:DfwHrfDAO
〜19〜
禁書目録「――――――」
神浄「……インデックス」
食蜂「……そう、彼女が」
『地獄の門』。引き千切られた鎖と、打ち砕かれた鍵と、折れ曲がった釘が堆く積み上げられた終の地。
インデックスはそれらに囲まれながら聖骸布に包まれて横たわり、顔にはうっすら赤みさえ差している。
傍目には本当に眠っているようにしか見えない静謐な寝顔を、神浄は涙を溜めた目を細め左手で撫でる。
神浄「俺の、全てだ」
食蜂「……わかるわ」
神浄「……頼めるか」
食蜂「任せなさい☆」
それを見やる神裂も御坂が意識を失って良かったかも知れないと思った。あんな横顔を自分以外の――
女に向けられれば女としてこれ以上の敗北はないだろう。現に神裂もまた打ちのめされた一人なのだ。
ステイル「はっきり言おう能力者。僕はまだ君を信じられない」
神浄「ステイル……」
ステイル「しかしここまで辿り着いた君の力を誰より知るのは、敵対していた僕において他ならない……」
食蜂「………………」
ステイル「下手な小細工をして見ろ。それが風がそよぐ程度の違和感であったとしても僕は君を焼き殺す」
食蜂「わかったわぁ」
ステイル「ちっ……」
食蜂「……貴方ってばぁ、外見力より優しい男の子なのねぇ☆」
今し方まで殺し合いをしていた敵に一縷の希望を託さねばならぬほど、他に縋る藁さえ持たぬほど――
ステイルもありとあらゆる手を打って来た。手を尽くして来た。神浄討魔(かみ)の手にまで頼った。
しかしそれさえ叶わなかった。故にシェリーの言う食蜂操祈(あくま)の手も借りたいほどであった。
食蜂「始めるわよぉ。それでぇ、一つお願いしたいんだけどぉ」
神浄「いいぜ。上条さん達に出来る事なら何でも言ってくれよ」
食蜂「……手ぇ」
神浄「手???」
食蜂「繋いでぇ」
そして右手でリモコンをなぞりながら、食蜂が左手を神浄の左手に差し出した。昔みたいに、と笑って。
神浄「……やっぱり、俺とお前、昔何かあったんじゃねえか?」
食蜂「神浄討魔(あなた)とじゃなくて上条当麻(あなた)と」
その笑みは、言外に『誰にも話すつもりはない』と柔らかく、優しく、だがはっきりと目が拒絶していた。
食蜂「(今、貴方に会いに行くわぁ。一人目の上条さん――)」
そして、終わりが始まった。
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