過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」 2
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吟遊詩人
[saga]
2013/01/18(金) 23:31:32.51 ID:/j9zed7k0
男「ひと月目安でここに来たつもりだったけど、これじゃあもっと時間がかかるかもしれないな。あまり長い間会えないとエルフも寂しがるだろうし、どうにか頑張らないといけないな」
頼れる老人の元へと預けてきた少女の顔を思いだし、仕事を早く終わらせるためのやる気を奮い立たせる男。そんなことを呟いていると、僅かに門の周囲を漂う魔力が揺らいだ。
男「ん? 今、ちょっと反応があったような……」
その変化を見逃さずジッと魔力の流れを見つめる男であったが見間違いであったのか再び魔力が揺れることはなかった。
その後、しばらくの間男は門の前で未知の魔法体系について考えを巡らせていたが、不意に訪れた空腹によって現実へと引き戻された。
男「ひとまず今日はここまでにしておこう。旅の疲れもまだ残っているし」
そうして彼は門の前を後にし、あてがわれた居住区へと向かった。
……だが、階段を上がり、地上へと向かう男を門の前から見つめる影が一つあった。それは人のようなカタチをした光るモヤだった。この場を立ち去る男の背を見つめるそのモヤはまるで笑っているようにも見えるのだった。
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