過去ログ - エルフ「……そ〜っ」 男「こらっ!」 2
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吟遊詩人
[saga]
2013/01/18(金) 23:33:46.28 ID:/j9zed7k0
……
…
遺跡に到着してから早くも数日が経とうとしていた。だが、事態は一向に進展をみせずに停滞したままであった。その間男は遺跡と自分の部屋を交互に行き来し魔法解読のために法則性を見つけるのに必死になっていた。時には半日以上も部屋に篭もり、食事も取らずに過ごすこともあった。
もっとも、一般人から見れば異常にも見えるその行動も、同類ばかりのこの場所ではあるあるネタとして軽く流されるだけで、お腹が空きすぎて外に出てようやく存在を思い出されるなんてこともあった。
だが、研究者たちの本音としてはなるべく早く門にかけられていてる魔法を解除してもらいたいはずである。それもそのはず、彼らも無償でこの作業を行っているわけではない。このような遺跡調査には大抵支援者が資金を捻出しているはずなのだ。彼らもお金を出して行っているため成果がでなければ研究者たちを資金を出すのをやめてしまう可能性も出てくる。
そのようなことにならないためにも一秒でも早く先への一歩を踏み出さなければならないのだ。
だが、焦れば焦るほど考えは纏まらず、解決策は出てこなかった。考えが煮詰まった男は一度気分を変えるために自室を出た。
外に出ると森特有の澄んだ空気が肺を満たした。しばらくの間埃の溜まった部屋にいたせいか、ただの空気がやけに新鮮に感じた。そのままあてもなく遺跡から少し離れた森の中へと向かう。ここ最近考えが煮詰まった時はこうして森の中を男は歩いていた。そして、二日前たまたまうろうろと森を彷徨った際に見つけたとある場所が今の彼のお気に入りの場所になっていた。
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