過去ログ - ハルユキ「これが……『未元物質』?」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/13(日) 17:01:48.77 ID:QROHREg+0

 実際、飛行状態から今まさに着地しようという状態だったシルバー・クロウは、地面か
ら突き出していた岩のようなオブジェクトに足を引っ掛け、クラッシュしたモーターバイ
クのように大きく転がっていく。

「ヒャッハァー!! 何やってんだカラス野郎ォ!」

 そこをアッシュ・ローラーが見逃すはずはない。

 新米バーストリンカーでも考えられないようなポカをした銀色アバターを、アッシュは
自慢のアメリカンバイク型強化外装で、容赦なく跳ね飛ばす。

 キン! という金属特有の音色を響かせて錐もみ状態で飛んで行ったシルバー・クロウ
は、教会のようなオブジェクトの側壁に受け止められてようやく止まる。

 残りわずかだったHPが0になり、対戦は終了した。

 あまりにも無様な結末に、ギャラリー達も失望したような視線を浴びせる。

 いや、アバターの頭はマスクで覆われていて表情は読めないため、それはハルユキの罪
悪感が勝手に作り上げたものなのかもしれない。

 でも、以前なら多少なりとも拍手や激励の言葉もあったものだが、ここのところ対戦が
終わるやいなやバースト・アウトしてしまう人がほとんどだ。

 事実、ギャラリーの数も減っている。飛行アビリティで界隈を沸かせた、シルバー・ク
ロウに対する興味が薄れてきている。

 そんなもの気にしなければいいと思うかもしれないが、ハルユキは、それでも周りの期
待に応えたいと思い、それができない自分を嫌悪し始めていた。

(……これで七連敗だ)

 現実世界に帰還したハルユキは、歩道橋の柵に身体を預けながらがっくりと頭を垂れる。

 ここのところ、彼はこんなバトルばかり繰り返していた。



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