過去ログ - 勇者「この世界を救う価値があるのか……?」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/01/16(水) 06:53:17.05 ID:D714+SWZo

「魔王、お前の幼馴染だったんだよ」

「…………ハ?」

「お前に長年仕えるメイドだったそうだ。
 彼女はお前に対して恋心を抱いていた――
 私と行動を共にしていたのも私を監視し、お前に報告するためだ」

確かに幼馴染のメイドを刺客に送ったことはある。
冥土は魔王に匹敵するほどの力を持ち、魔王軍をなぎ倒す勇者を
自分に代わり倒してくれると信じての刺客だったのだが――
帰ってこないという事は、てっきり勇者にやられたのだとばかり思っていた。

「私を支えてくれたのは怪しまれないためだとさ……
 ふふふ、心底世界が嫌になったよ。魔族の演技の方が
 人間の何倍も慈悲深いとはね――」

「そ、それでうちのメイド――僧侶はどうなったんや!」

「彼女は魔王城付近で四天王と私が戦う際、
 正体を現し襲い掛かってきたよ……命まではとっていないがね
 だが魔王、お前をここで殺せば彼女は確実に私を憎み、追い続けるだろう
 その命果てるまでね」

「……そうか」

「つまり私がお前を倒し世界を救っても、
 待っているのは歓声なんかじゃない。
 支えてくれたものの憎しみの刃だけだ」

部屋が静まり返る。
あまりにも重たい真実。あまりにも冷たい世界。
勇者に未来はあるのだろうか。
魔王には一切関係のない話のはずなのに、
なぜか魔王自身も沈黙していた。幼馴染が無事とわかって
ますます気が削がれたのかもしれない。


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