過去ログ - 勇者「この世界を救う価値があるのか……?」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2013/01/16(水) 07:56:47.07 ID:D714+SWZo
文字通り横一文字に真っ二つになる玉座。
魔王は、しゃがむことによって事なきを得たが――
「甘いぞ魔王!!」
すかさず勇者による聖剣の一撃が魔王の脳天めがけて振り下ろされる。
魔力で防ごうにも、勇者の聖剣はありとあらゆる魔力、魔術を切り裂く
剣や鎧ならば防ぎようはあるのかもしれないが、生憎と魔王は
半裸にマント、それにジーンズと言う訳の分からない格好である。
――しかし魔王はそれを防いだ。
偶然にではない。魔王として鍛え上げられたその肉体と動体視力を用いて
自分に剣先が当たる寸前で真剣白羽どりを行ったのだ。
「往生際が悪いぞ魔王……っ!」
構わず大剣に力を加える勇者。
さすがに四天王を一人で屠った歴戦の猛者だけあって
その筋力はかなりのものである。
ふるふると剣を抑えながら少しずつ近寄ってくる大剣に
冷や汗をかきながら魔王は自分の死を悟る。
だが、こんなところであきらめるようでは魔王は務まらない。
「ま、待て勇者! わ、分かった……!」
「何が分かったのだ魔王?」
ハイライトのない目で剣に力を加えるのを止めない勇者。
あと一歩と言う所で魔王は命からがらの一言を口にする。
「お、お前に魔王の座を譲ろう!!」
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