10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/16(水) 23:48:10.35 ID:Z2MY10hv0
ときおり動く乃莉ちゃんの口元をみながら、わたしは眠れないでいた。考えごととか、そういう小難しいことをしていたわけではないし、わたしの寝相が悪いせいで乃莉ちゃんに迷惑をかけることを、心配していたわけでもない。
ここ最近ずっと、こんな調子で寝不足。その原因は、胸のあたりでわだかまっている。
わたしはぎゅっと握った右のこぶしを胸の真ん中に押しつける。
熱した砂糖水のようにどろどろとした得体のしれない感情が、わたしの胸のあたりをがんじがらめにしているみたいで、それは不安とも焦りとも寂しさともつかないなにかだった。
原因がわからないから、根本治療ができない。感情がわからないから、対症療法もきかない。ただひたすら、胸のあたりを押さえつけて、感情の奔流を抑えつけるしかない。
一種の発作みたいだった。
喉のおくから声が漏れそうになって、わたしは歯を食いしばる。やがて体が震えてきて、空いてる左手で肩をだく。
いい加減、乃莉ちゃんを起こしてしまいそうだったから、わたしは小さく告げた。
なずな「……トイレ、いってくるね」
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