過去ログ - 眠り姫をおぶって山登りはキツい。
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10: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2013/01/17(木) 02:28:46.34 ID:ImpwMRpT0
 朝に登り始めたのにも関わらず山頂についたのは真夜中だった。 
 十八時間は歩いたのか。 
 休みながらとはいえ自分を褒めてやりたい。 
  
 女さんが居たからできたことだ。 
  
 山頂には馬鹿でかい木があった。 
 見上げれば空を突き抜けているかのような木があった。 
  
 そんなわけはないだろうけど。 
  
 木の傘の下で大木に身を預ける。 
 女さんを引き寄せて、朝になるまで眠った。 
  
 壮大な景色は夜のことではないようだ。 
 きっと、女さんはこの景色を見たら泣いてしまうだろう。 
  
 どこまでも深い暗闇が延々と続く様子は圧巻ですらあれ、壮大には遠い。 
  
 壮大な闇? 
  
 闇の下で沢山の人が暮らしているのかと思うと苦笑した。 
 ああ、これは人食い闇なんだな、と。 
  
 今にも僕を食らいそうだ。 
 それだけの圧迫感があった。 
  
 無なのに。 
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