3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/01/19(土) 02:40:33.56 ID:u6szX8Tw0
  
 「何が欲しいんだ?」 
 「解っていらっしゃるでしょう?」 
 「金か? 金ならないぞ」 
 「…いけずです」 
  
  貴音は、珍しく悲しげな顔を見せた。 
  ふと、プロデューサーはスタッフの視線を感じた。成程、プロデューサーとアイドルとこそ言え、男女が二人で会話をしていて、女性は嘆いた表情、いぶかしがるのも当然か。 
  
 「…一緒にラーメン食いに行くか、俺の奢りで」 
  
  すると貴音は、さいぜんの顔がまるで嘘だったかのように、即座に明るい表情になった。そして、ではこうしては居られませんね、着替えて参ります、と足早に歩き出した。 
  
 「やっぱ名女優だよ、貴音は」 
  
  すれ違う形になった瞬間プロデューサーが彼女にそういうと、 
  
 「これは本心です、あなた様」 
  
 と彼女も振り向いて言った。最後に「両方とも」と呟いたのは、プロデューサーには聞こえなかった。 
3Res/1.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。