過去ログ - かずみ「from Connect to Luminous」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/21(月) 02:10:36.67 ID:E/g+nYa6o

  なんとか料理を口にしたものの、カオルは微動だにしなかった。
もしかすると――これは奇跡が起こったパターン、つまり味はイケる、というパターンなのだろうか。
鼻を抓みたくなる欲求をなんとか抑えながら、かずみは恐る恐る彼女の顔を覗き見る。

  しかし、かずみが密かに抱いていた期待とは裏腹に、彼女は眉間に皺を寄せていた。
頬が不規則に引き攣り、いかにも苦しげな表情をしている。

「……」

「……」

  沈黙が、そっと降りる。
誰が悪いわけではないというのに――原因は料理を作った自分だが――妙に気まずい。
記憶を失う前のかずみ、つまり過去の自分と比べるとやはり今の自分はかなり劣っているのだろう。
過去の自分を信じて厚い壁に特攻したカオルに敬意を表し、自動処理型のダストボックスを差し出す

「カオル、ぺって、していいよ?」

「……いや、いいよ」

  ごっくん、と飲み込む音が嫌というほどに耳に残る。
居心地の悪さがどうにも胸を締め付ける。
だからかずみは大仰に頭を下げ、

「ごめんねカオル! あたしまだ色んな記憶が戻ってないみたいだし、うん、これは捨てておくから!」

  さらに盛り付けられた炒飯を捨てようとするも、カオルは首を横に振ってそれを制した。

「いいよ、あたしが食べる」

「で、でも!」

「なぁかずみ。良いこと教えておいてあげるよ」



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