過去ログ - かずみ「from Connect to Luminous」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/21(月) 02:11:28.74 ID:E/g+nYa6o

  カオルはどこか遠くを見つめるような寂しい目をして息を吐いた。
それは自分と同じ少女と呼べる年齢の人間が持つ瞳にしては、あまりにも達観している。
牧カオル。過去のかずみと行動を共にしていた魔法少女。
その本質は、記憶を持たないかずみには把握しようもないほどに深いのかもしれない。

  カオルは言った。

「食べ物を粗末に扱うやつは悪人なんだ。パンを踏んだ娘は地獄に落ちるんだよ――うおおお!」

「わ、わわ!? カオル!?」

 叫ぶや否や、カオルは黒焦げの炒飯を口の中に押し込み始めた。
その様子が明らかに無理をしているようにしか見えなくて、
おかしいやら嬉しいやら、心配するやらで、かずみは涙を浮かべて笑いながらカオルの肩に手を置いた

  良かった、と、そう思う。

  カオルがいなかったら、わたしはきっとダメだったろうから。

  つい昨日のことを思い出して、かずみはふたたび笑った。
そしてカオルの手元に水が注がれたグラスを差し出し、一息吐く。
この勢いなら食べ終わるのにそう時間は掛からないだろう。が、復活するのにはかなりの時間を要するに違いない
朝食は食べ損なってしまったけれど、昼にその分食べればいいのだ。

  だから、かずみは昨日の出来事を思い返すことにした。

  記憶を失い、街を彷徨っていたかずみが。

  かつての親友を自称する、カオルと出会うまでの顛末を。



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