過去ログ - かずみ「from Connect to Luminous」
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23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/26(土) 22:34:47.08 ID:rV1mNpfso

  すると今度は男性が尋ねてきた。

「……お前はどうしてあんな時間に素っ裸でいたんだ? 名前は?」

  当然の疑問だろうとかずみは思った。
そういった質問や追及が来る可能性は簡単に予想できるものだ。
それゆえにかずみはその手の質問が成されることをあらかじめ考慮していた。
けれども実際に追求されてしまえば、どう説明したら良いものかと悩んでしまうのもまた事実。

「それなんだけどね」

  考えても答えは出なかった。
自分の身に起こった現象を複雑かつ正確に説明するには、自分の"記憶"はあまりにもその総量が少なすぎる。
だからと言って目の前の男性に嘘を吐くのは躊躇われた。
下心無しに自分を心配してくれる優しい人に隠し事をするのは、きっと自分が取る行動として相応しくない。
何しろ彼は自分にとって"初めて尽くしの人"なのだから。

「言いたくないなら言わなくていいぞ」

「え?」

  真摯な態度を取られてかずみはやや呆気にとられた。
自分が答えに悩んでいたのを別の理由か何かで言いたくないのだと勘違いしてしまったようだ。
かずみはさらに考えを募らせた。

  そしてかずみは考え抜いた末に、一呼吸して酸素を取り込み、呟くように口にした。

「わたしの名前はかずみ。たぶん記憶喪失かも」




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