過去ログ - かずみ「from Connect to Luminous」
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/26(土) 22:38:40.28 ID:rV1mNpfso


「……あーあ、厄介なのに見つかったな」

「え?」


  街頭の光と光の間で、カオルが不機嫌そうに言った。
山吹色の瞳がすぐ目の前に広がる暗がりを凝視している。
それを見て、かずみは違和感に気付いた。

  二人は今、街灯が放つ光と光の間に居る。
光と光の間は2メートル弱。
寝転んで腕を伸ばせば届くほどにわずかな距離。
二人が今居るのはちょうど中心点に近い場所だ。
それはすぐ後ろと目の前に光があるということを意味している。

  にもかかわらず、目の前には暗がりが広がっている。
暗がりはずっと向こうまで続いているように見えた。
先ほどまではなかった靄のような暗がりが揺らいでいるからだ。

  これは一体――

「――ずみ、かずみ!」

「え? あ、うん!」

  自分を呼ぶ声を受けて意識を現実に引き戻された。
気付けばカオルは、左手を暗がりに向けるようにしながら注意深く腰を落としていた。

「かずみ、あたしから離れるなよ」

「う、うん!」

  真剣な声音に押されるように頷くと、それを見たカオルが走り出した。
左手を引っ張られながらかずみもそれに続いて走り出し、暗がりの中に身体を突っ込ませる。



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