過去ログ - かずみ「from Connect to Luminous」
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42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/05(火) 22:13:17.28 ID:c6fc2hcmo

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  紅茶の本質は香りにある。
香りの良い紅茶は人の心を静め、荒れた神経を安らぎへと誘う。
同じカフェイン系の飲料であり興奮作用のあるコーヒーと違って紅茶には鎮静作用があるのだ。
それゆえに紅茶を愛飲する者の中には味は二の次、三の次だと論ずるものも少なくはない。
ミルクや砂糖を入れるなど言語道断。
そのままの紅茶を味わえという考えだ。

「でもそれはそれ、これはこれなのが世の常人の常だよねー」

  かずみは引いた右手の中のカップに視線を落とした。
わずかに波打つきれいな紅の湖面を眺めつつ、スプーン三杯分の砂糖を落とし込む。
砂糖は紅い液体の中でぐずぐずと崩れ、その粒子を液体に絡ませていった。

  濁り始めた紅い湖面を叩き割るようにミルクを流し込む。
さらに匙でかき混ぜると、紅色の湖面は瞬く間に香色へと色を変えてしまった。

  満足そうに口元を緩め、かずみは紅茶に口を付ける。

「んーっあまい! 紅茶は甘いのが基本だよね!」

「こらこら、香りを楽しめよ香りを」

  苦笑混じりに言うカオルはというと、カップに一杯にも満たない砂糖を落としただけだ。
その砂糖もかずみが使用した物とは違い別個の小さな容器に収められた物だ。

「カオルは平気なの?」

「あたしは苦めが好きだからね。コーヒーも飲めるクチだよ」

「わたしだって飲めるもーん、紅茶は甘目が好きなだけだもーん」

「はいはい。これが終わったら魔法のお勉強だぞー」

「はーい」



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