過去ログ - かずみ「from Connect to Luminous」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/21(月) 02:10:04.02 ID:E/g+nYa6o

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  見慣れぬ台所で、見慣れぬ調理器具を使い、見慣れぬ調味料を使った結果。
完成したチャーハン――否、作品を前にして、かずみとカオルは後じさりした。

「こ、これは……」

「食べ、も……食べ物?」

  なぜか疑問系で言葉を発してしまい、思わず天を仰ぎたくなる衝動を抑える。
そして口にする前から渋そうな表情を浮かべるカオルと共に料理をまじまじと観察した。

  見た目は決して悪くない。
丸くお椀状に盛られたそれは食事処などで出されそうなほどに美しく形が整われている。
ただし色合いはというと、小麦色通り越して真っ黒に片足を突っ込みかけていた。
例えるならば、そう。ひっくり返したフライパン。

  ならば香りはどうかと嗅いでみれば、これも決して悪くはない。
香りが鼻腔に吸い込まれてからほんの数秒程度ならば、香ばしい香りに表情を綻ばせているところだろう。
しかし数秒を越えるとどうだ。香ばしいを通り越してむせ返るような匂いが直撃して、かずみたちは実際にむせた。
こういった罰ゲーム用の料理だと考えれば完成度は高いと言えよう。

「……だ、大事なのは味だろ!?」

「いやぁこれはさすがに……」

「記憶を失う前のかずみは料理が得意だったからな、大丈夫……大丈夫!」

  カオルはまるで自分に言い聞かせるように叫んでスプーンを炒飯に突っ込んだ。
そして焦げ茶色ではなく焦げ色の米を掬い上げ、ぷるぷると震わしながら――


  ぱくり。



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