過去ログ - かずみ「from Connect to Luminous」
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98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/14(金) 02:11:12.79 ID:eJyqC46Ao

  嘘を吐いたと打ち明けてくれたのだ、カオルは。
親友に嘘を吐いたままでいたくないという彼女の想いのなんと清く正しいことか。
それが真実であるならばカオルという親友を持てたことをかずみは一生の誇りに思うだろう。

「そっか。キュゥべえなんていなかったんだ」

「もちろん、キュゥべえなんていなかったんだよ。……かずみ?」

  自分の反応を窺うような控え目な声に気づいてかずみは笑顔を作った。
無理に笑顔を作るのはもう慣れてしまったから。
完璧な笑顔を作れたはずだ。
今度も。

「へーきへーき、わたしは気にしてないよ? むしろこっちがごめんね!」

「そっか良かった……よし、それじゃあ今日は外食でもするか!」

「ええー?」

「わだかまりも無くなったことだし、たまには良いだろ? なんでも注文して良いぞー!」

「ホント? それじゃあわたし何頼もうかな? そうだ、わたしちょっと着替えてくるね!」

  悩む素振りを見せて首を揺らしながらかずみは席を立った。
古めかしいハードカバーの日記帳をしっかりと隠し持ったまま。
両手の絆創膏――料理の特訓の証――をカオルに見えないようにしたまま。
椅子に座ってジュゥべえとじゃれあいながらくつろいでいるカオルを背中越しに見つめて。
部屋を出て、扉が閉まろうとする直前。



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