過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
1- 20
2: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/01/21(月) 22:34:03.84 ID:1/+pSvNY0



安い造りで設えた石棺のような場所。無機質で血の匂いだけが漂う空間だった。


ここで何時間経過したのか・・・・四肢を拘束され、裂傷による激痛に襲われ、目の前で沢山の人が殺されて。

このコンクリートで固められた一室に時間を計る器具が無いこともあってか、時間の経過は不明瞭だ。




「ぎゃあ゛ぁっ!!!」


年端もいかない子供が、菖《チャン》の眼前で肩の肉を削ぎ取られている。

刃物で肉を削がれるに伴って苦痛を漏らし、その激しい痛みが表情をぐしゃりと潰していた。


菖は加虐に対して嫌悪を抱くほどの情は持ち合わせる普遍的な女の子だ。

しかし今は気にかける余裕など微塵ほども残っていない。


己の状況もまた、切羽が詰まっている・・・・。


―――――シュパッ!!


菖「ひっ!・・・・ぎ・・・・ぃ゛!!」


右腕を除く四肢は鎖で固定され、残った右腕は大柄な男によって取り抑えられている。

男は左手で少女の手首を抑えつつ、握った刃物で動脈を切る。

一度切るだけではなく、幾度ともなく切り裂く。その理由は《切っても傷口がすぐに塞がるから》であった。


手首から流れる血は、床に置いた樽へと直行する。

小柄な菖の体躯から流れ出るだろう血液量とは明らかにオーバーサイズと見受けられる大樽。

更に、同じ樽がずらりと背後に用意されていた。



菖「さっ、寒い・・・・」


「そろそろ喰わせておけ」


腕を握っていた男が、今し方子供の肩肉を切り剥がした男へと命令した。



「ほらよ、っと」


子供から削ぎとった人肉を、菖の口内へと無理矢理に押し込む。



菖「んぅ!!」


菖「っく・・・ごほっ!げほっ!」


こんなものは食べたくはない・・・だが、食べねば己死ぬ。

本来ならば食べずとも数日は生き永らえることは可能らしいが、手首から流れ出る血液の所為で死の淵へと誘われる間隔が早い。


血液が流れ出るとともに己の体は冷え始める。それが「死」の余兆だと、人外へと変貌した体がシグナルを流す。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
67Res/79.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice