過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
1- 20
22: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/01/26(土) 23:01:24.78 ID:jFt7J7hF0

菖「はっ・・・はぁっ!」


菖(やっと、外に出られる!)


息を切らして走り続け、見覚えのある扉にまで辿り着くことが出来た。

殆どを殺したおかげか、追手や遮る者はもういない。少しの安堵を覚えながら外界へと繋がる扉を蹴破るように開いた。




「まさか、信者全員を殺して逃げ仰せるとは」


菖「・・・あ?」


外界の空気は颯爽としていた。今までいた空間とは別世界のように凛とした空気が心地よい。

敷地の周囲に鬱蒼と生えた木々や暗がりの時間がそう感じさせる。

だが、それを噛み締める前に、立ちはだかる男が一人。



菖(こいつ、側近か)


教祖と親しげにしていた階級が上のヤツだ。儀式の時にヘラヘラしていたのを覚えている。

その男の初老と彷彿させる禿頭が、菖の苛立ちを増加させる要因となった。

嫌なことを思い出しても更に腹が立つだけだが、今ばかりは少し違う。



「なんだ?私のことを覚えていたか?」


「私は幹部の马憲及《マ・シェージィ》だ。覚えてお―――」


菖「黙れ。道を塞いでるからお前は殺す」


今の言葉も嘘ではないのだが、実際は苛立ったから殺すというのが大部分を占めている。

急いでいるのも事実だが、ここは速攻で殺して憂さを晴らしてから逃げようという欲が出た。


血で濡れた胡蝶刀の柄を、再度握り直す。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
67Res/79.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice