過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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◆wPpbvtoDhE
[saga]
2013/01/26(土) 23:01:24.78 ID:jFt7J7hF0
菖「はっ・・・はぁっ!」
菖(やっと、外に出られる!)
息を切らして走り続け、見覚えのある扉にまで辿り着くことが出来た。
殆どを殺したおかげか、追手や遮る者はもういない。少しの安堵を覚えながら外界へと繋がる扉を蹴破るように開いた。
「まさか、信者全員を殺して逃げ仰せるとは」
菖「・・・あ?」
外界の空気は颯爽としていた。今までいた空間とは別世界のように凛とした空気が心地よい。
敷地の周囲に鬱蒼と生えた木々や暗がりの時間がそう感じさせる。
だが、それを噛み締める前に、立ちはだかる男が一人。
菖(こいつ、側近か)
教祖と親しげにしていた階級が上のヤツだ。儀式の時にヘラヘラしていたのを覚えている。
その男の初老と彷彿させる禿頭が、菖の苛立ちを増加させる要因となった。
嫌なことを思い出しても更に腹が立つだけだが、今ばかりは少し違う。
「なんだ?私のことを覚えていたか?」
「私は幹部の马憲及《マ・シェージィ》だ。覚えてお―――」
菖「黙れ。道を塞いでるからお前は殺す」
今の言葉も嘘ではないのだが、実際は苛立ったから殺すというのが大部分を占めている。
急いでいるのも事実だが、ここは速攻で殺して憂さを晴らしてから逃げようという欲が出た。
血で濡れた胡蝶刀の柄を、再度握り直す。
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