過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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3: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/01/21(月) 22:45:52.40 ID:1/+pSvNY0

「ふんッ!!」


菖に肉を喰わせ終えた次の段階。肩肉を削ぎ取られた子供の頭に斧を叩き落とした。



「あッ!?が・・・ぁ!」


頭に斧が刺さったまま咽ぶような声を漏らす。

嗚咽が途絶えた時、その子は死んだ・・・・それと同時。


――――カン、カランッ!


子供の遺体は消失し、斧は頭があった空間より床へと落ちる。その子が着衣していた衣類だけを残して。

死体が《消え去る》などと誰が見てもその光景は異常と感じるだろうが、この場に居る者は見慣れてしまっている。




「しっかし、何度見てもおかしな仕組みだなこりゃ」


見慣れてしまったが、けったいであるに変わりないと男は言う。

たった今死んで消えた子供のことはお構いなしに。



「それよりよ、一人ずつ喰わせる必要はあるのか?」


「あー・・・何人分か喰わせておけば手間が省けるってことか」



二人の男は私の生命維持を効率良く行う方法を検討し始めた。どうも単調な作業に飽きてきたらしい。

私には激痛が絶え間なく襲いかかり、気が狂いそうだというのに・・・・。



「一人で大体10分くらいだったから6人でどうだ?」


「1時間か。まぁそんなもんだろう」




菖が受けた《精奉来輪廻壊縛の儀》、これが今に至る原因であった。


この儀式を受けた時より、己の体は人でなくなった・・・・らしい。術を振り掛けた《妖怪》より己へと伝えられていた。

一般的な食事を摂っても血や肉に変わることはない。人間としての機能は停止している。

ただし術を受けて手に入れたものがある。それが《人を癒す血》。

儀式が終えた直後より、菖の体内で癒やしの血が精製され駆け巡っていた。


何も望んで儀式の対象になったわけではない。儀式を受けられるのは一人だけ。それ以外の者待っているのは《死》だけ。

この教団へと売り飛ばされた時点で待っていたのは地獄のみ。目の前で殺された子供達然り、その儀式の生贄となった子供達も同じく。


結果として、この施設もとい宗教団体の連中の手により、菖は無理強いに近い形で儀の対象へと選出することになったのだ。

実際は、もっと酷い形で対象へと選ばれたのだが。





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