過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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37: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/02/15(金) 14:54:29.46 ID:aElfqWld0

水無瀬(掛かれ!早く!!)

蟲がギチギチと鳴らす甲殻音が焦燥を駆り立てる。
キャブ付近からほんのりガソリンの匂い、オーバーフロー・・・・・だが、この程度で動か なくなるマシンではない。


菖「急っ――――」

   ボォウゥ゛ン!!ォオァ゛アア゛ンッ!!ギュ リィィ゛イッ!!!

水無瀬「乗れ!!」

怒りとダメージに身を震わす妖魔が飛び掛かる寸前のところで、エンジンの爆発が連続排気音を奏でる。

握り込んでいた半ばで折れたクラッチレバーを離し、凄まじい勢いで上昇した回転数を動力に変換。
同時にフロントブレーキを当ててやると、寝かされ気味のリアタイヤがアスファルトと摩擦を発生。
アクセルターンにて進行方向を定めていた。


菖「お願い!!」

飛び乗った菖は窮屈なタンデムシート付近に跨った。
本来は快適に乗車できる造りだが、左右のリアショック付近に取り付けてある弾薬箱が乗り手以外の乗車を阻んでいた。
仕方なくサイドカバーのエンドあたりにふくらはぎを密着させ、水無瀬の腰に手を回す。


水無瀬「しっかり掴まれ!!」

必死さから張り上げた声は母国語であり、言葉自体の意味など菖が解るはずもない。
それは水無瀬も同じことだ。声を荒らげる菖の言葉など半分ほどしか理解出来てない。
だが、緊迫を供した者達が生み出した熱意は、双方へ互いの本意伝わせるに十分である。

   
菖「わっ!?」

グンッと身を引っ張られる感覚が突如として菖を襲う。
ウィリーしないよう加重をフロントに移動。その状態から10000回転まで吹け上がった駆動が後輪へと伝わる。
スポーツバイアスがアスファルトをがっちりと喰らい込み蹴り飛ばす。

最高出力12500rpm/40psパラレルエンジンより生まれ出た加速力は、菖の意表を置き去りにした。




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