過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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4: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/01/21(月) 23:49:25.87 ID:1/+pSvNY0


「よし、連れてきたぞ」


再び子供達の阿鼻叫喚が、狭い室内で反射し響き渡る。

菖の冷え始めた体には、よりいっそう染み入る叫び声だった。



「ほら喰え」


菖「おっ・・・ぅ、ん!!」


儀式を受けて人外となった体と言えど、血を抜き過ぎたら死ぬ。死なぬように新たな《精》となるのが人間の《命》そのもの。要するに餌だ。


今の菖の体は、さながら万能の薬を産み出す精製器。その燃料として人の命が使われる。

この状況だけでも堪ったものではないが、厄介なことに菖自身の怪我も即時回復してしまう。

よって、血を摂取する過程において何度も何度も手首を切り裂かれていた・・・・。



「じゃあそいつらを殺したら、お前から休憩してくれ。30分交替な」


「了、解!!」


ようやく休憩出来ることが嬉しかったのか、斧を子供らの頭に手早く落としていった。



「ぎゃッ!!?」


「やめて・・・やめてください!!」


「がぁっ!!!」


命を惜しんで縋り乞う声など気にも止めていないようだった。



菖(この、クソ共が・・・・!)


「おい、体調はどうだ?」


菖「・・・頗る良いよ」


対象の人肉を食べる、対象が死ぬ。これが菖へ《精》が取り入れられる手順である。

殺された六人の命のおかげで菖の体は満腹状態へと戻っていた。死者の魂が己の体に混じり合う感覚が染み渡るように広がっていた。

だが言葉と身体状況とは裏腹に、手首の傷も一旦癒えていたこともあった所為だろうか、頭を過ぎる思いは憎悪と殺意のみとなっている。



菖(殺す・・・殺して、やる!!)


この巫山戯た教団も、己が強いられた環境も、無慈悲に殺された子供らの無念も・・・・全てが許せない!!

絶対に、赦さない!殺す!殺して殺るッ!!


痛みが途絶えている今この瞬間だけ、虚空より僅かな間だけに、憎悪が己の体を支配する。

だが、四肢を縛っている鎖が自由にさせてはくれなかった・・・・。



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