過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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40: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/02/15(金) 16:01:42.29 ID:tt0Oa1OY0

菖「ここ!?」

ひしゃげた弾薬箱の蓋を乱暴に開くと、蝶番が壊れると共に、蓋はアスファルトを滑る。


菖(あった!)

ナイフは憲及の脚に刺さったままで手元にな い。
今の菖には、どうにか握り締めていた胡蝶刀と新たに手に入れた鉈一本。


菖(どうするか・・・)

鉈を渾身の力でぶつけることが出来れば、距離を詰める天牛蟲の脚の一本は落とせるだろう。
しかし、鉈が外れて追いつかれようものなら再び戦闘にもつれ込む。
そうなった時、短刀である胡蝶刀では勝機に乏しい。


菖「クソッ!」

天牛蟲「!!」

だめもとで胡蝶刀を投げてみるが、やはり硬度に阻まれナイフは弾かれた。結局、足止めにすらならない。


水無瀬「外れたのか!?」

菖「当たったけど堅過ぎる!!」

予想こそしていたが、あの生き物は相当に堅いらしい・・・・・それならば。


水無瀬「ガソリンで、足止めするか」

菖「ガソリンって?」

コーナーに差し掛かり、水無瀬の腰に手を回し踏ん張りながら、聞き慣れない単語の意味を 訊く。

水無瀬「ああ、汽油(ガソリン)な」

悠長にやり取りしている暇はないのだが、役を担うだろう子に仕方なく答えた。


菖「!!」

菖「燃やせばアイツだって流石に―――」

水無瀬「火ぃ付けりゃ燃えるが、この状況で着火は先ず無理。滑らせて足止めが限度だろ」

菖「マッチ持ってないの!?」

水無瀬「ライターしかねぇ!!」

回転の上昇に伴って唸るエンジンに、声が掻き消されないよう、声を互いに強めた。
確かにマッチならば距離を置いた状態でもあの蟲を燃やせるだろう・・・・・しかし、己が持つのはターボライター。


菖「それでいい!私が火をつける!!」

水無瀬「だからライターじゃ」

水無瀬(・・・いや、出来るか?)

そうだ。何も近づいて火を当てる必要はない。
ライターの押部を固定させたまま投げ込めば、ターボなのだから高確立で引火させられるだろう。


水無瀬「左のボックスにライターと銅線があるから・・・頼めるか?」

菖「わかった!」





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