過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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42: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/02/15(金) 20:01:12.95 ID:va/HYvJP0

菖「ッ―――!!」

見切れ・・・見切れ!!見切れッ!!!

ライターだけは離さぬようにと、右半身を前面に向けた体勢より鉈を振りかぶる。
しかし問題は振り下ろすタイミングだった。 蟲の鈎爪に行手を阻まれようものなら着火に難が出る可能性は高い。
動きを見切り、脚の一本さえ壊すことが出来るならば、勝機はある・・・ッ!!


天牛蟲「戯威威ッ!!!」

菖「・・・!!・・・」

“見えた”・・・・・否、振るわれ往く凶刃の殺気を、極限の集中が生んだ第六感をもって察知した。

天牛蟲が繰る先行させた二本の鈎爪。多節の筋に力が篭る。
その殺陣領域へ空より立ち入る刹那、塵よりも細かい緊縛の間。
己の本能が、今こそ断ち切れとシグナルを送った。


菖「―――疾ィ゛ッ!!!」

  ズパァン゛ッ!!!!

天牛蟲「ギャイッ!!!?」

袈裟懸けに振りかぶった刃。
傲慢とも思える、力で推し斬れると主張す粗く猛る刃が、蟲の鋼爪二本ともを斬り落とした!

切れ落ちた途端に緑色の液体が溢れ出 す・・・・・が。


菖「が・・・ぁ゛!!?」

菖「ぎぃ゛っ!!いぎゃぁあ゛っ!!!」

鈎爪を斬り飛ばした直後、その奥に構えていた大顎の一本が菖の胴体を串刺しにしていた。

速度にのっていた天牛蟲は脚を二本負傷しようとも止まるはずがなく、ベクトルに赴いた凶刃は肉から内臓、果ては骨を穿ち砕く。


菖(ぞ、想定、内・・・っだ!!)

懐にさえ入ってしまえば着火は容易である。 大顎まで破壊する連撃を繰り出す業など己は持ち合わせていない。
そう解ったうえでの捨て身戦法であった。


菖「くたっ・・・ばれ!!蟲けらがァ゛!!!」

   ボォウンッ!!!

天牛蟲「ギュィイイ゛イ゛ッ!!??」

菖「ァあ゛っ!!!」

切り札である左手にて着火した途端、轟音と共 に炎が二人を包む。
菖は右足で蟲の胴体を蹴り飛ばし、突き刺さった顎より脱出。

これは相当に堪えているのか、天牛蟲は悲鳴をあげ右往左往するも炎からは逃げられない。 その高熱は、体液を徐々に沸騰させるに至っていた。




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