過去ログ - SERIAL CHAINS 「あやめのうた」
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6: ◆wPpbvtoDhE[saga]
2013/01/22(火) 00:26:06.60 ID:G7APzgzq0


「30分経ったらまた来る」


「ああ、わかった」


また手首を抉られ始めたら痛みで思慮が効かなくなる。

そうなる前にと、何らかの方法で鎖から抜け出し、目の前の屑共を殺害出来る方法を脳内に張り巡らせた。


菖(殺す方法、出る方法。どうすれば・・・!)


菖(鎖から、出る方法、滑るように、いや無理だ・・・なんか道具は、ない)


時間は無い。あと数秒もすればまた切られるだろう。本当に猶予が無い。



菖(鎖を壊す、方法、があれば・・・)


菖「!!」


がむしゃらに、冷静さなど微塵も無い思慮だったが・・・・方法が浮かんだ。



「さて、手首を預けてくれ」


菖「っ〜!!」


これしかないとさえ思った。この方法以外には無いだろう。己の人生が掛かっている。やるしかない。



菖「らぁ゛ッ!!!」


―――――ズッ!!ゴリュッ!!!


「なっ!!?」


菖「ぎぃ!?がぁぁ゛ああぁ゛!!!」


成功した。左の前腕に絡みついていた鎖が解き放たれる。

部屋に一瞬だけ鳴った鈍い音は、無理矢理に左腕を引っこ抜いた音だった。



菖(痛ッ、い!!いたぁ゛・・いィ!!!)


刹那だけに込めた念は、菖が思っていた以上の力を発揮していた。

左前腕は肉がズタズタに削れ落ち、伸筋支帯、手根骨までをも殺いでいる。



菖(痛みなん゛、かァ!!忘れ去れ!!私っ!!!)


目の前にいる宗教団員の男は、菖が行なった自虐的な脱出方法に怯んでいるようであった。

己の自由が効く部位は両腕だけ。脚に絡まった鎖は未だ変わりはない。


今しかない、男が接近している今だけ。脱出出来る可能性が僅かに残されている・・・・。


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