過去ログ - 【咲安価】久「麻雀とかを?」京太郎「ええ、教えてください」 七局目【解説?】
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954: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/07/15(月) 17:34:37.42 ID:G6ZrR/kDo


 そして、勝負が開始された。

 じゃんけんである。たかがじゃんけんなのだ。じゃんけんであるはずなのに――。


「宣言する」


 宮永照が、口火を切った。


「私は『グー』を出す――そう、グーを」


 どこか伺い知れぬ無表情に近い表情のまま、固めた拳をズイと出す宮永照。

 全員が息を呑んだ。

 あろうことかこの少女は、運だよりなじゃんけんというゲームに読み合いを持ち込んだのだ。

 そこまでするか……と、呟きそうになったが、場の空気がそれを押しとどめた。


「信じるも自由だし、信じないのも自由……。
 だけど、ハッキリと――そう、ハッキリとこれだけは言わせてもらう。
 私は、この戦いに於いて次に『グー』を出す……そう宣言『した』」


 やるといったらやる凄みがあるかはともかく、この提案には残りの三人も驚いた。

 なんせ、宮永照は徹底したポーカーフェイス。

 その仮面は貨物船を沈める氷山の氷のごとく、揺るがないのだ。

 考えなしの宣言なのか。ただのしみったれたちっぽけな嘘っぱちなのか、それともその裏の裏に策略を巡らせたブラフなのか。

 その判別がつかないのだ。


(さ、さすがはチャンピオンだ……! たった一言で場の空気を一変させやがったッ)


 やることがないので、京太郎はとりあえずリアクション係に回った。

 ただ固唾を呑んでいるだけでは場に飲まれて、挙句は背景に同化してしまう――。

 それは、インターハイの観戦から得た結論である。

 京太郎とて、成長しているのだ。それが正しい方向かは置いておくとして。


「そして淡……次にあなたは『正気なの、テル!?』と言う」

「正気なの、テル!? ……ハッ」


 が、京太郎はリアクションを投げ出した。

 ちょっと濃い。なんていうか濃い。絵柄が濃くなってる気がする。責任者出て来い。

 そんな京太郎の気も知らないで、白糸台の元エースと次期エースは不敵な笑みを交し合う。


「……あのー」

「何?」

「それより、じゃんけんしたらどうっすかね……?」

「むぅ」

「これだから……。様式美がわからないの? 馬鹿なの?」

「黙ってろ、高校馬鹿年生」


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