過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その2!?」
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◆x/rxoIq2T6
[saga]
2013/02/06(水) 21:56:39.52 ID:8Tzr3Skg0
サブシナリオ 【進むべき道、守りたい想い】
むくりと、体を起こす。
ぼんやりとした瞳で空を眺めながら、ぼんやりとする。
なんでこんな時間に目が覚めたんだろう。よくわからないや。
もう一度寝ようと試みるけど、もう完全に目が覚めてしまっているようだった。困ったな。
やりかけのゲームでもやろうかと、枕元に置いていたゲームに手を伸ばそうとして──
「…?」
わずかに物音が聞こえた。
私はゲームに伸ばしていた手を引っ込めて、そっと部屋から抜け出る。
別に音を立ててもよかったけれど、そうしてはいけない気がした。
「…いち、に、さんし」
音の正体を探ろうと宿をうろうろとしていると、外からそんな声が聞こえてきた。
何かを数えているのかな?
少し気になった私は、そっと覗いて見る事にした。
「はぁ…はぁ…くそっ…こんなんじゃ…追いつけない…!」
そこには、汗を沢山流しながら、懸命に腕立て伏せをしている日向くんの姿が在った。
とても長い間やっていたんだと思う。日向くんの服には汗でシミができていた。
地面にも水たまりができちゃうんじゃないかってくらいの大きなシミ。
日向「俺は…予備学科だから…才能なんてないんだから……努力で、追いつかないと…!」
私はその言葉に疑問を抱いた。なぜなら彼には誰もが羨むような才能が沢山あったから。
彼がその気になればだれも勝てない。この世のありとあらゆる才能を持っている、彼には。
……なんて、少し前の私なら思っていたかもしれない。
今の私の考えは全く違うものだと思う。
きっと日向くんは、そんな与えられたものなんかじゃなくて、自分で努力して──みんなに誇れるようになりたいんだって。
才能なんてなくてもいい、諦めないで頑張ればなんとかなる──それは私が、まだデータだったころに、彼に何気なく言った言葉。
彼はそれを今でも忘れずに、励みにしてくれる。それがなぜだかたまらなく嬉しかった。
「……がんばれ」
自然とそんな言葉が出る。
今の私には、漠然とはしているものの、感情というものがなんなのかようやく理解してきていた。
これが偶然なのか必然なのか、私にはよく分からない。
でも、きっと。
皆と一緒に居れば、この旅を続けていれば──この気持ちがなんなのか分かるのかもしれない。
もう、私は人形じゃない。意志があるんだ。
「……おやすみ」
私は結局、日向くんに声をかけなかった。
きっと声をかければ何か進展したかもしれない。けれど、それは日向くんの頑張りを台無しにしちゃう気がした。
だから私は、見守ることにする。
大切な人の努力を。誰よりも傍で。
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