過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：七巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：七巻目【都市伝説】

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49:1[saga]
2013/01/28(月) 01:20:55.76 ID:zLH8MotBo
淡「この公園は自然が多くて、私好きなんだよね」

京太郎「俺も嫌いじゃないな。朝のマラソンのコースだし」

りつべ市、その北東に位置する公園。

そこは他の公園より一回り小さいが、その分自然が色濃く残されている。

故に、子連れのママさん達に地味に人気のスポットでもある。

京太郎「それで、何の用だったんだ？」

淡「私はさ、自由なんだよね。そう言われるし、そう自覚してた」

京太郎「は？」

突然、彼からすれば訳の分からない事を話す彼女。
だが、それでいい。
彼女は、別に他人に気を遣いながら話しているわけではないのだから。

淡「自由ってのはね、なんだって躊躇わず出来るってこと。捨てたり壊したりも、躊躇ったりしない」

淡「それが例え、大切な物であっても。捨てようと思ったら、捨てられると思ったんだ」

京太郎「……淡？」

自由とは、獲得にも喪失にも制限がない。
何にも縛られないのなら、何だって捨てられるはず。
なのに。

淡「でも、なんでだろうね」

淡「ちょっと、躊躇いがあるんだよ。『それ』を捨てるのに」

淡「だから、確かめようと思ったんだ。分からないことが二つあったから」

息が、苦しい。
空気が、重い。
圧迫されている。何に？何を？
何かに、何故か、存在そのものを、圧迫されている。

大きすぎる存在が、京太郎の存在そのものを圧迫している。

それは箱の中で、風船を膨らませた時のように。

淡「君が私をどう思ってるか」

淡「私が君をどう思ってるか」

淡「それさえ確かめられれば、きっと結論は出る」

京太郎「お前、何を……？」

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