過去ログ - 「そんなことより野球しようぜ!」
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63: ◆CIZA6sfEUc[saga]
2013/03/06(水) 00:40:19.46 ID:PchXUNwgo
「あぶない!」
片足が完全に階段を踏み外していた。
手すりをつかめていない。
転落せずに済んだのは、伊織が抱きとめてくれたようだ。
「あ、ありがと」
今度は自然に口にしていた。
片手で手すりをつかんで、片腕をあたしの体に回している。
その手が胸をつかんでいた。
気付いた途端、顔が熱くなった。
「あ、あの、離して」
「大丈夫かよ」
「だ、大丈夫。大丈夫だから」
階段に尻をつける。
体の力が抜けた。
首を回して見ると彼は不思議そうな顔をしていた。
「さ、触ってるから」
「は?」
初めて認識したらしい。
伊織は「すまん!」と大声で謝りながら飛び退くと、
「う、うわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
と叫んでるんだかうめいてるんだかわからない声を上げて走っていってしまった。
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