過去ログ - 【安価】インデックス「いい加減私も怒るかも」フィアンマ「……ふん」
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888: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/02/10(日) 17:29:32.98 ID:AEWr+uLu0

「さあな? 少なくとも、お前よりは強い」

笑いながら、彼は血液を吐き捨てた。
だが、それだけだ。絶命する素振りなど、微塵も見当たらない。
本物の化物を前に怯える少年の顔面へ、パンチが叩き込まれた。
実際には、幾つかの術式を重ね掛けした、必殺の右手が。
だが、そうした下準備の魔術は、目に映らない。
そして、一方通行は、今までトップに君臨し続けてきた孤独な王者は、負けたことがなかった。
路地裏のケンカだろうが核兵器だろうが、立っていればただそれだけで相手が負ける。
まともにパンチを喰らい、一方通行は地面を削り取りながら減速して壁に背をつけた。

「ご、ッ…は、ァ」

木箱へ手をついて、げほげほと噎せる。
理屈がわからない。『反射』は、正常に働いていたはずだ。
自分の『反射膜』をすり抜ける技術? そんなものが学園都市内にあるはずが無い。
混乱と動揺を覚えながらも、一方通行はどうにか思考を立て直す。
そして、小麦粉の詰まったコンテナをフィアンマへ投げつけた。

「は、…どォいうカラクリかは知らねェが、流石に全身吹っ飛ばされりゃ、死ぬよなァ?」

思わず高笑いをしながら、一方通行は白い小麦の霧に笑む。
粉塵爆発をさせてしまえば、流石に耐えられるまい。


ドゴォン、ととんでもない爆音が響いた。
乾いた空気、舞った細かい粒子、静電気による火付け。そして、粉塵爆発。
一方通行は『反射』をしている為影響を受けないが、普通の人間は木っ端微塵にされてしまうはず。

「……ァ…?」

燃える木箱の破片を踏みつけ、その男は立っていた。
火傷をした様子は無い。爆発の火など、無かったかのようだった。
しかし、爆風によって左腕は肩からもげている。彼はそれを拾い、無言で接続し直した。
あまりにも常軌を逸した行動に、状況に、一方通行は怯える子供のように後ずさった。

「嘘、…だろ…?」

少年の左肩からは、一度腕が吹っ飛ばされたが故に、血液があった。
白いワイシャツは血まみれで、その顔も血に汚れている。
だが、彼は止まらない。腕をさっさと繋げた上、右拳を握りしめて走ってくる。

避けられない。

一方通行は、近づいてくる恐怖の塊になす術もなく怯えた。
少年らしい右拳を。それでも術式をかけただけで、幻想殺しとは程遠い右手を。
その腕一本を武器にして、フィアンマは殴る直前、一方通行へこう言った。

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