過去ログ - 幼魔「かちこち、ごうごう、ひゅおん、どかん」
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27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/01/31(木) 15:56:44.43 ID:Ack8PVLe0
眠る幼い魔物を見て色々なことを考えた。
例えば、彼女がよく眠る理由。

想像するに彼女はまともな教育を受けていない。
それはつまり、まともな保護者ではないということ。

ましてや彼女は歪んだ教育を拒んでいる。
明確に拒んでいないようだけど、嫌がっている。

その表れが胸の内に溜まった重みなんだろう。

嫌なことを嫌と言えず、
言う術さえ知らず、
感情の名前すら知らず、

一人で眠ることは苦痛だったかもしれない。
寂しくても、それさえ知らなかったかもしれない。

だから、彼女は自分以外の匂いのある場所で、
ここで――眠る。よく眠れる。

赤ん坊のように人を求めながら。


彼女が上手く言葉を喋れない理由。

多分、会話をしてこなかった。
保護者は彼女と会話をしなかった。

命令。或いは洗脳。
それを会話と呼ぶのは間違っている。

話が会していないものは一方的な暴力に近い。

だから彼女は会話に慣れていない。
言葉を一つずつ、考えなければ話せない。

発せない。

色々と考えていた。
考えさせられる子だ。

彼女は世界の犠牲者だ。
人間と魔物が対立した結果の被害者だ。

僕にできることはきっと。
彼女に笑顔を知ってもらうこと。

悲しみを感じさせない笑顔をしてもらうこと。

臆病者の烙印を押され、
受け入れた僕にできるだろうか?


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