74: ◆SN9y.E.ZJLBq[sage]
2013/02/04(月) 22:36:58.69 ID:1B7HZol90
9月29日 C
走って立ち止まったのは俺の家の前だった
小泉さんが心配そうに俺の顔を覗きこんでいる
今はそっとしておいてほしかった
「いろいろ聞きたいことがあります」
今 その言葉だけは聞きたくなかった
「けど 今はいいです」
その心遣いが嬉しくて辛かった
「ここ あなたの家ですか?」
そうです
「…私の家に来ますか?今は…」
結構です 今は一人になりたいんで
断りの文句としては最低だ けど小泉さんは
「…お店と同じセリフですけど…いつでも来てください 待ってますから」
ありがとう 今思えばこのときは敬語じゃなかった気がする
家に入る気にはなれず夕方の道を歩いた 昼をカラオケボックスにおいてきてしまったから何も食べてない
なのに食欲はなかった
夕焼けを見ていたら自分がただひたすら情けなくなった
夜になってスポットライトの場所に行く 電灯がついていなかった ただただ悲しかった
家に帰る 当然電気は消えていた
けど靴があった もう一つの辛い問題が部屋で座り込んでた
瑠璃が泣いてた
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