過去ログ - 上条「…お前なんか、嫌いだ」ふぃあんま「…え」一方「帝督、好きだ」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/02/06(水) 02:32:49.71 ID:ZmCwxRdg0
一方通行は、逃げていた。
反射は出来ない。
出来ないことはないのだが、心理的にする訳にはいかない。
胸元のネックレスのカギが、汗で肌に張り付いている。
率直に言えば、怖い。
これまで相対してきた数多くの襲撃者の内、誰よりも。
明確な殺意を持っている彼は、やけに甘い声で言う。
『一方通行、逃げんなよ。垣根帝督を愛してくれんだろ?』
ミルクジャムを塗りたくったかのような。
それでいて、恐ろしい程に悪意を込められた声。
捕まれば、殺される。
だが、彼を殺す事が、出来るのか。
一方通行は、携帯電話に手をかける。
『無駄だ、一方通行。この垣根帝督は、垣根帝督の能力暴走によって生まれたシロモノ。マスター権はこの垣根帝督自身にある。仮に垣根帝督に頼んで干渉させたところで、この垣根帝督と戦うのがオチだ。最悪、この垣根帝督が勝利する。そうすればあっちは死ぬだけ。消えるだけ。……そもそも、呼べるのか? そして、消すのかよ?』
彼は、言葉を続ける。
『まあ、この垣根帝督も垣根帝督という人間の一部なんだが、消したいなら仕方ねえ。恋人の汚い部分は丸無視したいってんなら。…この垣根帝督の存在は、誰にも望まれなかった。番外個体(カキネワースト)とでも名乗っておこうか。垣根帝督の悪意、悪性を抽出して無理やり固めた存在。邪悪そのもの。戸籍はねえし、存在を知る人間だってほとんど居ない。だからまあ、殺してミンチにしちまえばただの謎のひき肉でオシマイ』
悪意ある言葉を吐きだしながら、彼はダーツのように羽を飛ばした。
鋭く硬質な黒い翼が、一方通行の右ふくらはぎを貫いた。
「ぎ、ッがァ…!!」
呻く。
左足で跳ぶ。
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