過去ログ - 菫「魔法少女シャープシューター☆スミレR」
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2013/02/03(日) 22:18:04.02 ID:aEB3f654o
少女の背後で激しい轟音が響く
後ろで巨大な閃光が弾け、焼夷弾のように辺りに炎を撒き散らす。背を凄まじい勢いの熱風が叩きつける
もんどり打って倒れ伏し、言葉にならない悲鳴をあげながら無様に転がる
もう何度目かの、全ての始まりはなんだったのかという思考
不幸を嘆く間も無く、無意識に友の名を叫ぶ。拍子に舌を切ったが、もはや痛みすら感じない
薄れ行く意識を必死で繋ぎ止め、頭を振ってなんとか起き上がると、雨で出来た水溜りが、背後の太陽の様な熱の塊を反射して煌めく。再度弾けた炎の塊が辺りを焼き尽くす
未だ降りしきる筈の雨は炎を消すに到らない。どころか天まで伸びる炎の渦は降りしきる雨さえも熱湯のように変えてしまっている。一体どれほどの熱量なのかと慄くも、そうしてばかりは居られないと思い直し、震える脚に鞭を打つ
既に焼け野原となったそこを離れなければ。炎の華が咲く。舞う。全てを焼き尽くす。現実味の無い光景。夢でも見ているのか、幽玄とさえ呼べる光景。だがこれが現実だと、彼女は知っている。ならばそれは悪夢だ。不幸を撒き散らす、悪夢
立ち止まる事は許されない。それは罪だ。彼女は罪を犯す訳にはいかない。再び大きな閃光。新たに二つの炎の華が吹き上がった
一瞬迷い、方向を変える。まだ火の手の上がっていない場所へ行かなければ。焼け野原を逃げる。逃げる。逃げる。火の粉を振り払うための衣服の袖は、既に燃え尽きていた。肌が焼ける。爛れる。気にしている暇はない。急げ。どこに?
遂に炎に囲まれた事に気付く
逃げ場を失い、ああ、と彼女は小さく呻いた。結局、自分に出来る事などこんなものか
もう、立ち止まってもいいだろうか
炎が拡がる。暴れる。うねる。迫る。雨は炎の屋根に遮られ、既に少女の頭を濡らすことさえ出来ていない。もしかしたら、既に止んでしまったのかもしれない
彼女は次に何が起こるのかも知っている
深い闇が世を暗く覆い隠すのだ
その後は知らない。何が起こるのかも、その結果何がどうなるのかも
全てが終わった時、果たしてどうなるのだろうか?
何もわからない。ただ、恐ろしい。身体が震える。怖い。怖い。逃げたい。逃げなくては。誰か…!
彼女は知っている
祈りは無意味だ
だが無駄と知りながら、彼女は祈った
せめて
最後に夜が明ける事を祈った
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