399:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagesaga]
2013/02/14(木) 01:32:03.06 ID:o3J5IM9Xo
>>394
今書いてるSSの一部ちょっと晒してみる
参考には多分絶対ならないと思う
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尖った指が、皿に盛られた大きな円形の料理の、八等分された一枚を取る。
石窯で焼かれたばかりの熱くとろけたチーズが糸を引き、やや厚めの生地の断面へと垂れ下がった。
その一切れを高く持ち上げ、鏃のように鋭い歯列が並んだ大口を開いて、全体の三分の一ほどを思い切り齧る。
トッピングされた厚切りのベーコンから脂の溶け込んだ火傷しそうな肉汁がじゅわり、とほとばしり、ついで塩気のある水牛のチーズの柔らかく歯に絡みつく食感、
その下に塗られたトマトソースの酸味、もちもちとしながらもカリっとした小麦の生地の歯応えが順番に舌を楽しませた。
噛み千切って咀嚼すると、仕上げに振られたバジルの香りがそれらを引き立てながら、口内に絡み合って馥郁と広がる。
今、まさに食べているのに―――後味は、更に強烈な空腹感をかき立てるようだった。
ごくり、と飲み込むと、彼女は、残った部分を一口二口と立て続けに頬張り、食べつくす。
口元にこびりついたトマトソースも気にせず、熱が残っている内に、その手はテーブルの上にある樽型のジョッキへ伸びる。
そして、凍りつくほどちりちりに冷たいビールを一気にがぶがぶと飲み下した。
油気の多い料理を頬張ったばかりの口内を、強めの炭酸とホップの香りが洗い流す。
唇の端から黄金の麦酒が流れ落ちるのも気にせず、空にするまで、喉を鳴らし、彼女は強烈な満足感に任せ、叫んだ。
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