過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ!」 【仮面ライダー】
1- 20
983: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/02/07(木) 22:43:53.75 ID:8zTkuZN6o
>>969の選択:鷺森灼

京太郎「……あ」

灼「あ……」


 いつものように屋上に上がると、以前見た人がいた。
 名前は聞いていない――確か二年生の人だったか。
 人付き合いを拒絶するその姿に、どこか似ているものがあるなと思った。

 まあ、お互いに欠ける言葉なんてない。
 ただ無言で腰を下ろし、弁当をあける。
 向こうも、他に人が来たからか……その場を立ち去ろうか逡巡の後、パンを取り出した。

 さて……まあ。
 なんというか、話す言葉がない。
 彼女から『話しかけるなオーラ』が出ているし、
 そもそも須賀京太郎とて、必要もない限り人に話しかけるタイプではない。今、必要があるとも思えない。

 黙々と。
 ただお互いに無言で、飯を頬張る。

 しっかり弁当を用意しているこちらと違って、コンビニのパンで済ませている彼女は食べ終わるのが早い。
 そのまま、こちらの前を横切って、立ち去ろうとしたその時だった。

 突風が吹いた。
 彼女のポケットから何かが零れ落ち、風にさらわれる。

 一瞬見えたが――あれは、ネクタイか?


灼「待っ……」


 しかし無情にも。
 風はそれを浚って、どこかに吹き飛ばしてしまった。
 屋上のフェンスを越えて、消えていくネクタイ。


京太郎「……探すの、手伝いましょうか?」


 わざわざ問いかけたのは。
 彼女がそれを是とする人間か、非とする人間かによる。
 あまり人の内面に立ち入ることを、須賀京太郎はしたくはない。
 勿論、大事なものなら――聞くまでもなく助けた方がいいのだろうけど。

 ヤミーやドーパントに襲われている人間に比べて、それは分かりにくい。
 ながらく人との付き合いを拒絶していたのも相俟って、そのあたりの機微が掴み難かった。


灼「いらな……」


 そして、ぷいと顔を背けると。
 彼女は、屋上から立ち去った。


【鷺森灼のネクタイ紛失の場面に立ち会いました!】


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/428.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice