過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】

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132:何だかまた調子悪いのでルーター君も再起動[saga]
2013/02/07(木) 22:14:29.21 ID:NfL2XQ1Ro
京太郎「『頑張れ』って言葉の意味は、そうじゃない」

京太郎「『頑張りが足りてない』なんて思って、言ってる奴なんか居ないって」

京太郎「あるとすれば、『あの人の頑張りが報われて欲しい』」

京太郎「『そこで挫けるな。君は一人じゃない』って、そういう意味くらいだろう」

京太郎「純粋に善意だろ？　嫌いな奴に頑張れなんて言わねえよ」

京太郎「どっか祈りに似てるような、そんな声援だ」

ゆっくりと、ハッキリとした声で彼は彼女に語りかける。
それは確認であり、彼女だってちゃんと分かっていることだ。

それでも納得出来ない。
勝てない自分が許せず、上ばかり見ている彼女には。

泉「そんなん、分かっとる。でもな」

京太郎「……怖いか？」

泉「……」

京太郎「頑張って負けるのが。頑張れって言われて負けるのが」

泉「……そら、誰だってそうやろ」

往々にして恐怖というものは、断ち切り難く消え去りにくい。
鎖のように絡みつき、意図して解くことは非常に困難だ。

特に、敗北の恐怖は。

京太郎「誰だって負けることはあるだろう。ましてや、スポーツなんだし」

泉「割り切れへんよ、そんなん。スポーツ本気でやってる奴なら、皆そうやと思う」

泉「……負けたら、これだけを頑張ってきた私に、一体どんな価値があるんや……？」

しかし。

京太郎「価値ぃ？」

今日彼女と話し始めてから初めて、彼の視線の色が変わった。

京太郎「悪いが、それは『笑わせんな』て言わせてもらうぞ」

泉「……えっ？」

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