過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】

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141:書き込み失敗して、リロードしても少しの間は反映されていないという罠。危うく引っかかりそうに[saga]
2013/02/07(木) 22:59:49.94 ID:NfL2XQ1Ro
そして屋上へのドアを『切り裂き』、侵入する。
そこには彼が追い求めた、焦がれる程に探した獲物の姿。

京太郎「月が綺麗ですね」

殺人鬼は、答えない。

京太郎「おいおい、無視は勘弁してくれよ。寂しいだろ」

その両の腕(かいな)の刃を突き立てんと、走り出そうとする。

京太郎「ま、最初に用があるのは俺じゃねーけどな」

そんなペンギンの殺戮者の頭上に、雨のような水が降り注いできた。

いや、雨ではない。これは……『塩水』だ。
天敵。そして、「ひとりかくれんぼ」の部分が警告を発している。

『この塩水は、危険だ』と。

切り裂きジャックは、その瞬間彼にしては不注意極まりない愚行を犯していた。
京太郎の存在感に気を取られ、ドアの影に隠れていた一般人の存在を見逃してしまったのだ。

この悪夢を終わらせる事が出来る者、この儀式を始めた術者。

すなわち、二条泉の存在を。

泉「へへっ、どーやっ！」

人間の時に人間を殺し、都市伝説となってからは都市伝説を持つ者まで殺そうとした殺人鬼。

それがただの一般人、それも『女性』に一杯食わされるなど屈辱に他ならない事は想像に難くない。

その原因が初めて殺し損ねた獲物への執着とあっては、怒り心頭と言っていいだろう。

塩水を被った身体、その動きは、明らかに鈍り始めていた。

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