過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】

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199:1[saga]
2013/02/08(金) 01:18:30.75 ID:b3egWRMto
「【どうした？　青い顔をして】」

京太郎「ああ、お前みたいに面の皮が厚くなくてな……簡単に色が変わっちまうんだ」

穏乃『どうする！？　逃げるんなら、多分追いつかれないけど』

京太郎「あのエトペンはどうすんだよ。逃げられないし、戦うにしても……」

この状況は非常に不味い。
同格一体、格上一体。

正面切って戦って、工夫でどうにか出来る範囲はもう超えている。

圧倒的力量差。
この時点では、まさしくチェックメイト寸前の状況だ。

京太郎「（考えろ、考えろ、まだ俺達は五体満足。方法はいくらでも……）」

小蒔「……二手に別れましょう」

穏乃『へっ？』

京太郎「……？　……！　神代先輩、まさか！？」

小蒔「心配しないで下さい。きっと、大丈夫です」

苦悶し思考する京太郎を安心させるような柔らかい口調。
しかしその目は、確固とした覚悟に満ちていた。

彼女の視線は、まっすぐに赤マントに向けられている。

小蒔「赤マントの足止めと、当初の目標の打倒。二手に分かれて分担します」

小蒔「京太郎さん達が打倒。私が、足止めに回りましょう」

京太郎「危険すぎますよ！？」

小蒔「それはどちらも同じでしょう？　それに、以前貴方に勝った私の方が足止めには適任だと思います」

京太郎「ですけど……！」

小蒔「そんなに心配なら、早く片付けて迎えに来て下さい」

小蒔「そして私を格好良く攫って下さい。二人で颯爽と逃げましょう。女の子って、意外とそういうのに憧れるんですから」

京太郎「……すぐに、戻ってきます」

小蒔「ええ、気長に待ってますね」

赤ﾏﾝﾄ「【敵性の前で長々と話をするのは、どうかと思うが】」

小蒔「なんで待っててくれたんですか」

赤ﾏﾝﾄ「【結果は、変わらないからだ】」

小蒔「……変わります。なんだって変われる。変わらないものなんて無い」

小蒔「私もそう信じてます。あの人に、それを教わったのは私だけじゃない」

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