過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】

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522:1[saga]
2013/02/10(日) 00:58:31.05 ID:2a1n6iw2o
京太郎「えっ、なっ、どうして、」

宥「生命線も、君の命運も、今切れたわけじゃない」

宥「私の忠告を無視したあの時に、切れてたんだよ。きっと」

彼女の『マフラーが伸びる』。

それは首巻きから外套へと。

『赤いマフラー』から『赤いマント』へと。

伸び、広がり、進化し、強化され、鮮やかに着色、形状を変えつつ彼女の全身を包み込む。

変化したのはマフラーだけではない。
その存在感が、変化していく。
強大に、巨大に、絶大に。
彼の知る、彼のよく知った、あの敵の気配へと。

これはカモフラージュ。
京太郎が側に居た彼女が『そう』だと気付かなかったのは彼が節穴だからではない。
友人相手で、目が曇ったからでもない。

彼が彼女の都市伝説を『赤マフラー』だと勘違していた事。
宥が、赤マントという『二つ目の力』の存在を誰にも教えていなかったという事。
妹の、玄にすら。

都市伝説は基本、一人一つ。

一つが明らかになっていれば、それだけで疑惑対象から除外される。

そして、都市伝説を切り替えることで気配すら切り替えられる上位の使い手だった事。

少なくとも、穏乃よりかは能力の扱いに卓越しているといっていい。

京太郎「あ、に、二重発現……都市伝説、二つ……」

宥「種をバラさないと、誰も気付けないことだけどね」

血塗れの赤。
血染めの赤。
血吸いの赤。

この世全ての赤の頂点に立つ、紅の王。

赤の支配者。朱に染まる殺害者。赫の戦闘者。

『赤マント』。それが、彼女の夜の名前。

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