過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】

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821:では引き続き、本編の京太郎奇怪綺譚をお楽しみ下さい。こっから反撃開始やで[saga]
2013/02/11(月) 21:25:51.83 ID:V1GJAAgQo
意識が浮上する。

……暖かい。
何かに包まれているように暖かい。
先程まで冷たい世界に居た自分には……いや、待て。

……おかしい。

確か自分は河に落ちて、そのまま沈んでいって……

その理由が、確か……

京太郎「宥さんっ！！」

そして、彼は布団を跳ね飛ばすように飛び起きた。

慌てて、周りを見回す。

見た事の無い部屋。見た事の無い天井。見た事の無い布団。

物はそう多くないがきちんと整理されていて、こざっぱりとした印象を受ける。
ぬいぐるみなんかが置いてある辺り、男の部屋や客間というわけでは無さそうだ。

……なんとなく、いい匂いがする。

どうやら、女の子の部屋らしい。

頭を振って雑念というか煩念を振り払い、彼は考える。

ここはどこだ？
何故ここに？
自然にこうなるわけがない。
なら、自分をここに運んだ『誰か』が居るはず。

その『誰か』の目的は？

いや、待て。

そもそも、なんでナイフを心臓に刺された自分が生きて――

「あ、起きましたか。いつまで寝てるのかと思いましたよ」

京太郎「！？」

ガチャリとドアノブを回し、部屋の主が帰ってくる。
そしてその容姿は……少しだが、京太郎も見覚えのある少女の物だった。

何故なら。

「モブのツラなんて忘れてしまいましたか？　まあ、私は忘れませんけど」

京太郎「和の、後輩の……」

後輩「覚えていて頂けましたか。光栄ですね」

戦った事も、話した事もある相手だったのだから。

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