過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：八巻目【都市伝説】

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921:>>950過ぎたら次スレ立てます[saga]
2013/02/11(月) 22:16:49.98 ID:V1GJAAgQo
鳥が殺され、鳥が断末魔の声を上げる。
人は同情するだろう。

魚が殺され、魚は声を上げることすら許されない。
人は、そこまで同情しないだろう。

声があることは幸福だ。
叫ぶ事が出来る事は幸福だ。
泣く事が出来る事は幸福だ。

許しを請える。助けを求められる。同情を誘える。

声に出せば、救われるかもしれない。
声に出せば、助けて貰えるかもしれない。

だけど。

声に出さなければ、誰も救ってくれやしない。

声に出さなければ、誰も同情してくれやしない。

だから、言葉を紡ぐ事が出来る人は最も幸福だ。

後輩「そんな感じの意味ですね。まあ、改変や解釈が一杯あるのがこの手の奴ですけど」

京太郎「……声、か」

――いつかは声を出さない者も救える男になって欲しい。衣の友ならば

京太郎「(あの人は、どっちなんだろう)」

声を出していないのか、それとも声に出す事など無いのか。

助けは要るのか。救いは必要なのか。

京太郎「(……分からない。だけど)」

京太郎「(訊かなくちゃいけない。そんな気がする)」

まだ京太郎は、彼女の『心からの声』を聞いていない。

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