過去ログ - 番外個体「笑顔に会いたい」
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/04(月) 21:07:36.86 ID:z17TTo9R0
実在年齢詐欺少年とは失礼な。

「僕はただ、他人より少しだけ背が伸びるが早かっただけです」

ジュニアハイスクールの高学年までの間に背を伸ばしそのまま成長が止まる人だってまま居るではないか、と続けると、

「いや、まあ、そうではありけるけれど。それでも、私もステイルだけには年齢詐欺と言われとうない」

お前のような貫禄あふれる14歳、世界中探してもおるまいに、と最大主教に睨まれた。

この人と会話をするとついつい溜息洩れてしまう。
目上――というか、斜め後ろに振り向いたまま頬を膨らませ視線で抗議を送ってくる、見た目年齢18歳程度の女性は、
その言葉にとどめるには余りに位の高い身分なのだが、僕がうやうやしく扱う事はあまりない。

魔術師であろうが一介の神父にすぎない僕と軽口を叩いているこの女性は、
世界最大の宗教・十字教の旧教三大宗派のひとつ、イギリス清教の事実上のトップである最大主教に坐し、名をローラ・スチュアートという。
曲者ぞろいの変人奇人の巣窟である必要悪の教会(ネセサリウス)を束ねる強者である。

僕との間柄は、上司と部下だ。
同組織に所属する身内であるが、時に僕は彼女に騙される。禁書目録の件では見事なまで。
しかし、完全な信頼はあり得ないが信用を捨て切れないやっかいな、そんな女性だ。

溜息ついでに煙草の箱を胸元のポケットから取り出す。

「一本、失礼しても?」

一本を口に加えたまま、礼儀として一応、許可の願った。

「ご自由に」

「どうも」

ジッポの火で煙草の先端に命を与える。
ニコチンの味を覚えてからというもの、口内から肺へと煙を送り、深く深く息を吐く瞬間が至極の時になってしまったように思う。
煙草の先が微妙に上下に揺らすのが僕の癖らしいのだが、完全に無意識下での行為だ。



気付かなかったの?、とかの少女に指摘されたのが遠い過去のよう。





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