19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/03/04(月) 22:23:35.47 ID:z17TTo9R0
「―――育て子は、私にだって可愛い子に変わりない」
僕と彼女とでは善悪の基準が違うように、愛憎の基準もまた異なるのだろう。
一年おきに禁書目録(インデックス)の記憶を消し、僕と神裂を年単位で騙し続け、常に損得を考える人物だ。
「私とて多少は禁書目録に思うところはある。半面、『ああ、思いが叶ってよかった』と安著したのだけれど、」
ただね、と。
「ステイル。お前とて、私にとっては、禁書目録と同様であろう? かわいい育て子に違いのうて」
僕が必要悪の教会に所属したのは、おそらく禁書目録とほぼ同年なのだろう。
僕もある程度自律した精神を持つようになった年ごろには、今の立ち位置に近い場所に居た。
イギリス清教内、ひいては最大主教ローラ・スチュアートの庇護下にいる「子ども」とも言えるかもしれない。
「片一方の育て子の幸福はうれしいが、
しかし、もう片一方の育て子を思うとな。
……終わりよければ全てよしと言いきっていいものかどうか、私自身、少し迷うてな」
ローラ・スチュアート。
世界最大の宗教・十字教の旧教三大宗派のひとつ、イギリス清教の事実上のトップである最大主教に坐す人間。
僕との間柄は、上司と部下。 同組織に所属する身内であるが、時に僕は彼女に騙される。
しかし、完全な信頼はあり得ないが信用を捨て切れない。
やっかいな、本当に、やっかいな、そんな女性だ。
良いことと悪いことを均等に実行すると僕は常に彼女を評す。器用で不器用で。善人か悪人か。本当に本当に、やっかいなんだ。
47Res/35.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。