過去ログ - 魔王「よくぞ来た、勇者よ」男(抱きしめて頭撫でてやりたい)
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◆Ym1LQydzh2
2013/04/05(金) 02:27:12.53 ID:cs/rhnybo
ーー
どれ位経ったのだろうか。
男と騎士は構えた状態から、未だに一歩たりとも動いていない。その異様な緊張感からか、周りに居る他の勇者や兵士達も息を殺し、その様子を見つめている。
男「…」ニヤ
男の顔に笑みが浮かぶと、騎士もつられて笑みをこぼす。
騎士「やるじゃあないか。」ニッ
男「そりゃどうも。」
騎士の"正に剣術の基本"と言える様な構えに対し、男は立っているだけ。力無く下ろした右手に握った剣の先も、床に着いてしまっている。果たして構えと呼べるのかどうかも怪しい程だ。
しかし互いに思っている事は同じだった、"全くもって攻め入る隙が無い"。
この勝負、先に動いてしまった方が不利になる。それはその場に居る全員が理解していた。だからこそ、こうして膠着状態が続いているのだ。
だが…
男「これじゃあ面白く無い。お前もそう思うだろ?…だからここは、年上の俺がリードしてやらないとな!」ダッ
そう言うと、男が動いた。
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