過去ログ - ほむら「ジョーカー様呪い、という都市伝説」
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478: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/08/20(火) 23:31:26.79 ID:qP2C1Qq20
「上条くん……」

「君は、さやかの友達かな。僕を知っているの?」

その言葉にまどかは俯く。覚えているはずがない。ほむらが覚えていること自体奇跡
だというのに、これ以上何を望むのか。

(私が、望んだからいけないんだ。ほむらちゃんが覚えてくれているのだけで
満足していなきゃいけなかったんだ)

ほむらが望んだからといって、望んではいけなかったと、自らを責めた。その結果が
自らの願いの消失であり、魔法少女たちの絶望であり、今の惨状の結果である。
だからまどかは懊悩してしまう。

「あんたはあの子の知り合いかい? 物凄い勢いでこっちにくるよ」

視線の先にはさやかの姿がある。使い魔を途中途中で切り伏せてまっすぐに
上条に向けて走っていく。それは彼女の本音の表れだった。だがうららにはわかった。
その走りに迷いがあることを。ためらいがあることを。その様子にうららは二人が、
ただの知り合いではないことを察した。

『きょ、……恭介』

肩で息をしながら三人に歩み寄る。その間に流れる微妙な空気をどう表現するべきか。

「さやか……本当にさやかなんだね」

「錯覚」がとけ、腕の怪我という枷も外れた上条にとって、さやかはもはや異性だった。
しかも、長年一緒にいたばかりか、一番つらい時期を支えてくれた恩人だった。

だが、まだ不幸はある。このさやかはこの上条が知るさやかではない。それを内包こそ
するが、彼女の本質はそれとは決定的に異なっていた。
そう、魔女がいた世界のさやかだった。


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