過去ログ - ほむら「ジョーカー様呪い、という都市伝説」
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497: ◆sIpUwZaNZQ[saga]
2013/08/26(月) 21:08:10.51 ID:0PqdXvyj0
「やめてくれ!」

それまで混乱していた上条が吼える。手には杖代わりだった槍を握り、
おぼつかない足で立っていた。その槍先は足もとの悪さと緊張で
ぶるぶる震えている。

『お前! 何を!』

「さやかを殺さないでくれ! さっきジョーカー様にお願いしたんだ!」

上条は知っていた。ジョーカーの願いはわずかにタイムラグがある。
魔法少女のそれと違い、少しだけ遅れて叶う。素敵な彼氏が欲しいと
願った女性の元にその彼が現れたのは翌日のことだった。

「三人で冷静に話す場を願った。だから志筑さんが来るまでは
間に合うはずなんだ!」

だがほむらがそれを信じられるわけがない。彼女の経験上ここまで
濁ってしまっては、孵化するまで時間がない。
うららも魔女のことに関してはわからずに言葉が出せない。それは
誰もがそうだった。

「いいえ……。無理よ。それに彼女もどこに行ったのかすらわからないのに」

『ほむら! やって!』

拳を振り上げ、一気に振り下ろす。上条に人を刺す度胸がないと
思っていたし、槍に刺されたとしてもしばらくすれば魔法少女の封印は
解けると知っていたから。

「さやかを奪わないでくれ!」

その瞬間、彼の左足が折れる。リハビリ中の足が崩れて前のめりになる。
それを立て直そうとするがそのまま一歩前に出る。
振り下ろしていたほむらはそれに気づいても対処が遅れた。そもそも
ロンギヌスコピーなら刺されてもすぐに治る。それに、上条の怒りを
わずかでも引き受けるべきだと思ったから。

だからマミのリボンも、杏子の手も、うららの静止も間に合わなかった。

オリジナルロンギヌスは、ほむらの心の臓を正確に刺した。

さやかのソウルジェムが砕けるのと、同時に。


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