過去ログ - 律「月はみてる」
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12: ◆epXa6dsSto
2013/02/09(土) 19:26:13.27 ID:juBpRnU+0


「どうしたんだ、律?」


じっと横顔を見ていた私の視線に気付いたんだろう。
澪が静かに顔を向けて私に訊ねた。
まさか澪の横顔に見惚れてたなんて言えない。
私は少しだけ話を逸らして、でも、ほんの少しだけ核心を残して応じる。


「いや、唯達っていつも元気だなー、って何となく思ってたんだよ」


「何だよ、急に」


「今日の事を思い出してたんだよ。
唯もムギも梓に贈る曲の事で緊張してるはずなのに、凄く元気そうだったじゃん?
勿論、私だってもっと練習して、元気に梓に歌を贈るつもりだぜ?
でもさ、全然緊張を感じさせない唯達ってやっぱ凄いよ。
心の底から、梓の事を大切に考えてるんだろうな。
うん、二人とも太陽みたいに明るいな、って思ったんだ」


「確かにな……。
二人の明るさには引っ張られてる所があるって思う。
確かに太陽だよな、二人とも。
私ももうちょっと見習えたらって思うんだけど……」


「何言ってんだよ、澪。
澪だってさっき私を励ましてくれたじゃん?
唯達みたいに太陽とまではいかないけど、そうだな……。
気障っぽいけど月みたいだと思うよ、澪は」


「月……か……。
うん……、そうだといいな……。
二人くらいまでにはなれなくても、少しは二人みたいに輝けてたらいいな……」


「ああ」


「だったら、律は――」


瞬間、澪は私の事を太陽と言おうとしてるんだと思った。
皆によく言われるし、澪も私の事を同じ様に考えててもおかしくなかった。
ちょっと寂しいけれど、澪が私の事を太陽だと思ってくれているんなら、それも悪くないと思う。
まだ全然実力が伴ってないけど、いつかは太陽みたいに輝けるように頑張らないと――。
私はそう思っていた。
でも、澪は私の考えても無かった言葉を口にしてくれた。


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