過去ログ - 律「月はみてる」
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2: ◆epXa6dsSto
2013/02/09(土) 19:21:22.14 ID:juBpRnU+0


「すっかり遅くなっちゃったなー……」


ムギを駅前まで送った後、周りがかなり薄暗くなったのを感じながら私は呟いた。
街灯も所々点き始めてる。
こりゃ家に着く頃には辺りが真っ暗だろうな。


「でも、最近は結構陽も長くなって来たよな」


私の隣で肩を並べて歩いている澪が軽く微笑んだ。
薄暗くなってはいるけれど、まだこいつの微笑みが見えなくなるほどじゃない。
その澪の頬が何処となく紅くなってる気がするのは、気のせいだろうか。
いや、きっと気のせいじゃないな。
澪の頬が紅く染まってるのは、さっきまで頑張っていたからだ。
寒いからってわけじゃない。
今、澪が言った通り、最近はかなり陽が長くなって来たもんな。
何でかって言ったら――


「もうすぐ、春だからな」


私は澪の横顔に軽く微笑み掛ける。
私が微笑えだのを見ると、また澪が優しく笑った。
寒かった冬が終わって、もうすぐ春がやって来る。


春――。
色んな事が始まる季節――。
たくさんの出会いと、たくさんの別れに溢れた新しい季節――。
私達にとっては、卒業の季節でもある――。


そう。
私達は今春、高校を卒業する。
受験も無事に終わって、入学する大学も決まって、
卒業旅行も楽しんで、教室での最後のゲリラライブも終わった。
今はもう後はほとんど卒業するだけ――って時期だ。
卒業式まで、残り数日も残ってない。


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