過去ログ - 老兵や古兵って響きからしてカッコいいよな! というわけでSS書く
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/11(月) 10:32:16.23 ID:zd3Kw31so

 夜道を祖父と二人、並んで歩く。
「起こしてしまっていたとはすまなんだ」
 軽く謝罪をよこしてくる祖父に首を振る。
 そんなことは別に問題ではない。

 夜の町は静かだった。
 月の光も凍りついたように動かない。
 二人の足音がわずかにその静寂を乱す程度。

 人家が少なくなってきて、川のせせらぎが聞こえるようになる。
 月が明るいおかげで足元に不安はない。
 だが弥助は、胸に押し寄せてくる不安に耐えきれなくなっていた。

「儂はの、弥助」
 ふいに祖父が口を開いた。
 そして軽い口調でぽんと続けた。
「今夜、死ぬかもしれん」

 弥助は驚かなかった。
 祖父の左手には、刀があったから。



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