過去ログ - 老兵や古兵って響きからしてカッコいいよな! というわけでSS書く
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/11(月) 17:38:41.24 ID:zd3Kw31so

 祖父の抜き打ちはもちろん速かったが見えないほどではなかった。
 見えて、知覚できた。
 大蝮の動きに比べれば、鈍重もいいところだったろう。
 が、結果はこうなった。

「強くなければ生き残ることさえままならなかった。だから、強くなれと己に命じた」
 突きつける祖父と突きつけられる大蝮。
 目を細めた老兵は、言葉を続けた。
「だが、無意味と気づくのにそう時間はかからなかったよ」

 読みだ、とようやく弥助は悟った。祖父は相手の初動を読んだのだ。
 攻撃しようという相手の動作をよんで拍子を合わせれば、不可能ではない。
 無論、理解したところで真似できることではないが。

 最高の武人。弥助の身体に震えが走った。
(これが、強さ!)
「違う」
 胸中の叫びに、ぴしゃりと祖父の声がかぶさった。
「違うよ、弥助」



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